近所への引越しでもご説明しましたが、同じ建物内での引越しは簡単な様で意外と難しい側面があります。これはほとんどの方の引越しが違う建物への移動であり、その為の作業の流れが作業員の頭と体には染み付いているからなのです。
まず旧居で小物やダンボールをトラックまで搬出して、最後に大きな家具類を搬出します。トラックが移動して新居についてからは、まず大きな家具を新居の壁際に、皆さんの希望通りに配置していきます。そうしないと小物が入ってからでは、壁際に大きな家具を設置するのに邪魔になり効率が悪いからです。トラックの荷台にも、旧居で家具を最後に積んだあるので、一番出し易い場所に大きな家具があります。
この作業の流れを体に染み込ませて、作業員は日々引越しのテクニックを磨いています。そこに稀に同じ建物内の引越しでトラックを使わない作業があると、面白いことに作業員は軽いパニックになります。
そうなる原因は、
- 通常の引越しと違って、作業の区切りを何処でつけたら良いか分からなくなる。
- 旧居で最初に大きな家具を出しにくい
からなのです。1は通常の引越しの場合、旧居であればトラックまで荷物を運ぶところまでが一つの区切りです。けれども同じ建物内の場合、一時的にトラックに積むという必要が無いので、ダラダラと旧居からの搬出と新居への搬入を続けてやってしまうことが多くなります。各引越し業者の考え方にもよりますが、同じ荷物量のトラックを使う引越しに比べてスタッフの数を減らす場合がほとんどなのですが、大きな家具の分解や梱包、組立てや設置は一人ではできないものが多いですから、ダラダラ考えずにやっていると凄く段取りの悪い状況に陥ります。
また2なのですが同じ建物内の引越しの場合、大きな家具だけを引越し業者に依頼される方が多いです。ご自分達で少しずつ小物を運ぶということで、ほとんど生活されている状態(小物が散乱している(笑))の中から壁際の家具を梱包・搬出することが必要になる場合が多いです。引越し業者としては、大きな家具が搬出しやすいように作業スペースをきちんと空けていただくように皆さんにお願いしたいところでしょう。
また作業の違いだけでなく、同じ建物内の引越し専用の料金体系というものがはっきり決まっていないという業者がほとんどなので、見積り額が引越し業者によってかなり違ってくるというのも特徴です。
トラックを使わないけれどもトラックに車載している梱包資材などをつかうので、結局トラックを使用するのと同じという考え方の業者もあれば、その分安くする業者もあります。やはり数社に相見積もりをとられることが肝心です。 |