先にクロネコヤマトさんの例を上げて、運送業の中の内容の違いについてご説明しました。しかしこのサイトは引越しに関するサイトですので、同じような観点で引越しについてお話したいと思います。
宅配業が誕生した頃とほぼ同時期に、引越しのみをターゲットとする会社が出来始めました。35年ほどの歴史があるのです。
それまでは親戚やご近所に手伝ってもらって自力で引越しをするか、一般の運送業者に依頼をするしかなかったのです。私が在籍した引越し業者のケースでは、経営者本人が引越しをする際に、既存の運送会社に依頼した作業に不満を感じた為に「一般の方たちにも同じような不満が有るはずだ、よし引越し専門の会社を作ろう」と考えたようです。
不満を感じた理由が何かという部分が一番大事なのです。宅配のところでご説明したように、一般的な運送業は工業用の荷物を運んだりする仕事がほとんどなので、大きくて重いものを人力もしくは重機を使って運ぶという肉体労働という側面が強いです。トラックと作業員があるのに仕事が無いという理由で引越しの仕事を即席で行った場合、そのままの感覚で一般家庭に上がりこんで大事な家財道具を運ぶわけです。作業員は決して悪気は無いのですが、特に女性の目から見て不快感を感じることがあったとしても不思議ではありません。
これは仕方の無いことで、私の運送会社勤務時代にも会社が目先の利益を生み出す為に、運送業務が休みの土日に出勤できるメンバーを使って引越しの仕事をたまにやったりしていましたが、引越し専門業者に勤務してからの作業と比較するとぞっとするような作業ぶりでした(笑)引越し専門業者に就職して、それまでの運送業者との違いを痛感したのが「引越しはサービス業」という言葉でした。
こうして作業の違いが歴然としたものになっていきます。すると口コミなどの紹介やリピーター獲得につながり引越し専門という市場が確立されていくことになったのです。 |