皆さんにどうしても伝えたいことがあります。運送会社と引越し会社の両方を経験して管理人が凄く興味をもったことです。それは「トラックと作業員」さえあれば出来る運送業界の中でも細かく住み分けが出来ているという事実です。
工業用の資材なんかを運ぶ仕事もそれから宅配業も引越し業も、一言でまとめると運送業になると思います。街中や高速道路で走っている各運送会社のトラックを見ても、どの会社がどのように違うかなんて普段気に掛けないですよね。仕方ないと思います。しかしこのサイトのユーザーは今まさに引越しをされようとしている訳ですから、良い引越し業者の選択をする為にもこのコーナーでお話する内容をご理解いただければ、ご自身にあった引越し業者を自力で探せる力を身につけていただけると私は思います。
皆さんが普段から一番よく利用されているものにクロネコヤマトさんの宅急便に代表される宅配便があります。今でこそ運送会社各社が当たり前のように競い合って展開していますが、実を言うと30年ほど前までは宅配便って無かったんですよね。
それまでは個人が荷物を送ろうとしたら郵便を使うくらいしか手段が無かったそうです。そこに目をつけたクロネコヤマトさんは個人ユーザーをターゲットとした宅配のマーケットに絞って事業を展開することを考えたわけです。しかし当時の大手運送会社やライバル会社達は個人宅を相手にする非効率な行為は商売にならないと馬鹿にしていたようです。運送業といえば工業用の大きな荷物を高額で運送を引き受けることによって成り立っている感じがあったからでしょう。大雑把な仕事振りが当たり前の感覚のままで、数百円から数千円の不定期な宅配依頼をかき集めても利益が残らないと言うわけです。
ところがクロネコさんは宅配のみに焦点を合わせて会社全体のシステムや業務の流れを整備させていきます。コンビ二を窓口にしたり、なにせ効率化を進めたわけです。その結果が今の郵便事業をも脅かす勢いにまで成長してきたわけです。
その勢いと成功を知ったライバル会社達が、安易に真似をして宅配業に参入していきます。私はそのライバル会社のドライバーとして2年間勤務しました。しかし私のいた会社はいわゆる宅配などの小さな荷物だけではなく、工業用の荷物なども同時に同じドライバーが扱うので、やってやれないことは無いのですが非常に効率が悪く、いつもクロネコさんのドライバーはうらやましいな~と感じていました。
そうです、皆さんに強調したいのは「うらやましいな~」と私がドライバーの立場で感じたその感覚がそのまま消費者に対するサービスの質の違いに結びつくということを知っていただきたいのです。
目先の利益の為に体制を整備せずになんでもかんでもドライバーに運ばせる感覚の運送会社はどんどん淘汰されていっています。事故や破損・トラブルが多くなるからなのです。
一見、物を運ぶという同じ運送という仕事の中にも、荷姿や重量・客層の違いなどに着目してターゲットを絞って事業を行うことにより、サービスの質と効率化・コストダウン、安全性を実現しているわけです。
上記の内容を踏まえた上で、引越し業者について解説していきますね。 |