引越しを受けることのみで成り立っている業者です。引越し業界以外の方から「引越しだけで会社が成り立つの?」といわれる事が多いのですが、それが成り立つのです。
確かに引越しは時期によって件数がかなり違いますし、平日や仏滅は極端に依頼が減ります。ですから安易な考えで引越しのみをターゲットに会社を立ち上げても上手くいかないケースも多いようです。
その一方で非常に経営状態の良い会社も多いです。私が感じたのは「引越し以外のことを作業員にさせない!」という経営者のポリシーが有るところが結果が出ているということです。
普通の経営者なら引越しの無い日や時期には、折角のトラックや作業員に別の仕事をさせて目先の利益を取りに行きたくなると思うのですが、それをやってしまったら普通になってしまいます。普通とは、運送業者のスタッフの即席の引越し作業と何も変わらなくなってしまうということです。
同じ「モノを運ぶ仕事」のように見えて、引越しはその他の運送業とは一線を画します。これは一般の運送業と引越し専門業者での業務を両方経験した私は良く分かります。分かりやすく言えば運送業は男性の目線で合格ラインが決まりますが、引越し業は女性の目線で合格にならないと良い作業、良いサービスではないということなのです。
引越しは、皆さんが普段生活をされているプライベートなエリアに作業員が入ってきます。そして大事な家具や荷物に全て手を触れます。この時に主婦の目線で不快感を感じる作業をしてしまうと、その方は二度とその引越し業者を使わないでしょうし、ご友人にその業者の悪口を言うでしょう。
引越し専門業者が引越しの仕事のみをやることによって会社を成り立たせる為には、この口コミやリピーターの獲得が絶対条件なのです。それには作業員は過酷な肉体労働をしながらでもサービス業の精神を保ち続ける精神力とノウハウが不可欠です。
だからといって引越し専門業者が値段的に高いということではありません。繁忙期は恐らく一番高いと思いますが、逆に閑散期や平日などは死ぬ気で少ない引越しの依頼を獲得しに行きますから、競争の原理が働いてかえって安いです。なにせその仕事をとることが出来なければ何もやることが無いわけですから。
暇な時期には、作業員に経験を積ます為や宣伝効果をねらってトラックを街中に走らせる為に目先の赤字覚悟で契約を取りに行く考えの会社もあります。
それを利用して皆さんが引越しをすると、良いサービスを格安で利用できるということになります。ただ作業が気に入った時にお友達にその引越し専門業者を紹介する場合、日が違えば皆さんの引越し料金のような格安料金で出来ないかもしれない事は教えてあげてくださいね。
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