「当店は、荷物の滅失又はき損により直接生じた損害を賠償します。」とあります。
破損の責任が引越し業者側に無いということを業者側が証明できない限り、損害を賠償しなければなりません。
その賠償の方法なのですが、基本的に補修・修理などによる現状復帰となります。現状復帰が難しい場合は、減価償却による時価相当額の補償となります。
良く問題になるのが観賞用の食器や美術品、思い出の品など時価で簡単に換算できない類のものが破損した場合です。
そもそも約款では、この様な破損した場合にすんなりと解決しにくい荷物に関して、引越し業者側が取り扱いをお客様に対して拒否できる旨を定めており、更にそういった荷物が存在しないかどうかをお客様にしっかり確認する責任があることを定めています。一方でお客様側にはその存在をしっかり引越し業者側に伝えて、取り扱いを双方で事前に相談することを求めています。
中立な立場の管理人が今言えることは、まずプロとして見積り時点の営業マン、そして作業当日の現場責任者や先頭に立って荷物を旧居から出していく作業員がお客様にこの様な荷物がないかどうかを確認しなければならないと思います。
そして皆さん側も、万が一破損した際に修理や減価償却による時価相当額の補償では納得できないような荷物が有る場合はご自身でお運びになるか、美術品などは特別に鑑定が必要なタイプの運送保険がありますので加入されることをお願いしたいと思います。
話は変わりまして、遅延に関して以下の記述があります。
「当店は、遅延により生じた損害については、次の各号の規定により賠償します。
- 見積書に記載した受取日時に荷物の受取をしなかったとき受取遅延により直接生じた財産上の損害を運賃等の合計額の範囲内で賠償します。
- 見積書に記載した引渡日に荷物の引渡しをしなかったとき引渡遅延により直接生じた財産上の損害を運賃等の合計額の範囲内で賠償します。
- 第1号及び第2号が同時に生じたとき受取遅延及び引渡遅延により直接生じた財産上の損害を運賃等の合計額の範囲内で賠償します。
」という感じです。結論から言うと、作業開始時間、終了時間がかなり遅れることによって受けた損害は運賃の範囲内で補償の対象になるということですね。
ただフリー便や午後便など時間が遅れることが前提の作業であったり、それに関する説明が事前に見積り時点で営業マンから有った場合はその限りではありません。 |